自己破産について

2016年08月5日

毎日、暑い日が続きますね!!
噂によると今年の夏は今世紀最大の暑さだとか…。
スタミナ食材をしっかり食べて、夏バテせずに乗り切りたいと思います。

今回のテーマは「自己破産」
この言葉、皆様も一度は耳にした事があると思います。
では皆様は、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
・自分には関係ない
・借金がゼロになり精神的に楽になる
・何もかも失う
・恥ずかしい
当事者になるか否か、ご家族や親族が多重債務で悩み苦しんでいるか否かによって考え方や捉え方は、人それぞれだと思います。
当事務所で債務整理担当部署に居て、ほぼ毎日の様に借金問題と関わっている私からすると…多重債務で精神的に追い詰められ、辛く悶々とした毎日を過ごすのであれば、変な言い方かも知れませんが思い切って自己破産という選択をしても良いと思います。もし自己破産の手続きをする=「恥ずかしい」と思うのであれば、二度と同じ思いをしない様に破産手続き後の生活を改めれば良いだけです。自己破産は多重債務に苦しむ人を救済するための法的な制度で、裁判所が関与して行われる手続きです。当事務所では、破産手続きに関する書類作成のお手伝いをしています。

簡単に自己破産の流れを説明します。
①事務所にて面談。現在の債務の状況を伺います。
※自動車ローンや住宅ローンなども債務の対象です。
②各債権者に対して受任通知を送付し、債権調査を行います。
③自己破産申立に必要な書類の収集及び申立書類の作成。
④申立人の住所を管轄する裁判所へ自己破産申立。
⑤補正・追完・説明等(場合によっては破産者審尋あり)
⑥破産開始決定
⑦免責許可(免責審尋あり)
※一部の裁判所は免責審尋をしない所もあります。

免責が許可されると全ての借金がゼロになりますが、税金や年金・健康保険料・
損害賠償代金・慰謝料や養育費・罰金などは免責対象外
のため支払わなければなりません。
次に自己破産をするメリット・デメリットを紹介します
★メリット★
・債務が免責され借金がゼロになる
・精神的に楽になる
・破産開始決定後は給料等の差押(強制執行)が出来なくなる
★デメリット★
・不動産や自動車など高価な財産は処分しなければならない
・信用情報(いわゆるブラックリスト)に載るため、5~7年くらい新しい借入
が出来難くなる
・名前と住所が、国の発行する「官報」という新聞に記載される
・免責が決定するまで、一部の職業(警備員・保険の外交員・士業・後見人・宅
地建物取引業者など)に就けなくなる
・7年間は、再度の自己破産ができない

では、自己破産をすれば必ず免責になるのか?と言うと…そんなに甘くはありません!!「免責不許可事由」に該当すると免責が認められない事もあります。
どの様なケースが該当するか!?書いておきます。
・買物などの浪費(ブランド商品の購入など)
・ギャンブル(パチンコ・スロット・競艇・競馬など)の資金で借金した場合
・換金目的でクレジットカードで買物し、商品を転売した場合
※新幹線や電車の切符・ギフトカード・商品券・ゲーム機・ゲームソフトなど
・返済不能の状況にも関わらず、その事を黙って更に借入を重ねた場合
・生年月日や氏名などを偽って借入をした場合
・財産に関する書類を隠したり、偽造したり、変造した場合
・虚偽の事項を裁判所に提出した場合
・裁判所の調査において説明を拒んだり、虚偽の説明をした場合
・一部の債権者に偏った返済をした場合(偏頗弁済)
※個人間であっても貸主は債権者になりますので返済してはいけません。

さて…自己破産手続きには2通りの方法がある事をお伝えしておきますね!
*同時廃止(債権者に配当できる財産が殆どない場合)
*管財事件(個人事業主・自営業・債権者に配当できる財産がある場合)

管財事件になるとどうなるか?
管財人(主に弁護士)が選任され、裁判所に代わって財産の調査等を行います。
管財費用(個人破産の場合には約25万円、事業主破産の場合は変動)が掛かり
ます。申立人の郵便物は管財人宛に転送される様になります。(破産宣告して手続きが完了したら解除)手続き期間が長くなり、その間長期の旅行等は裁判所に許可を得なければなりません。また財産がある場合には管財人によって処分されます。しかし「自由財産拡張申立」の手続きを行うことにより、財産の総額が99万円以下であれば処分の対象にはなりませんので、ご安心ください。

ここで自己破産をするにあたり、よくある質問のQ&Aを紹介します。
Q:家族に知られずに自己破産の申立は出来ますか?
A:100%無理とは言いませんが、裁判所に申立を行う際に同居家族の収入に
関する資料(給与明細・所得証明・場合によっては通帳等)を提出しなけれ
ばなりませんので、家族の協力なしで申立は難しいと思われます。

Q:会社に知られずに自己破産の申立は出来ますか?
A:会社から借入等が無い場合には知られる可能性は低いと思いますが、退職金
について記載する箇所や証明書等の添付が必要になってきます。その証明書
を会社から貰う際の説明が難しい様です。

Q:自宅は諦めないとダメですか?
A:自己破産をするのであれば、非常に残念ですが自宅も諦めて頂かなくては
なりません。当事務所では「任意売却」という方法を用いて自己破産申立前
に自宅を売却し、残債務も合わせて自己破産の申立を行っております。

Q:自動車も無くなりますか?
A:ローンが残っていれば、ローン契約会社へ返還する事になります。しかし既
に完済していて、殆ど価値が無ければ手放す必要はありません。因みに大阪
地方裁判所や神戸地方裁判所では初年度登録から普通車で5年以上、軽自
動車で7年以上経過していれば価値がないとみなしています。ただし外車
や国産車(セルシオ・シーマ・クラウンなど)は、購入時の金額によって
価値の有無を判断される場合がありますので注意が必要です。

Q:生命保険や学資保険などの保険は解約しなければならない?
A:保険によっては解約をした際に解約返戻金(かいやくへんれいきん)が返金
される事があります。その金額が一定の額を超える場合には裁判所から保
険を解約する様に指示される事もあります。申立を考える時には自分が契
約者になっている保険や解約返戻金の有無など見直してみてください。
Q:自分が自己破産すると家族に影響がありますか?
A:家族の方は関係ありませんので特に影響はありません。但し、家族の誰かが
保証人になっている場合は、その方に請求が行くことになります。

Q:自己破産した事が会社に知れたら解雇(クビ)ですか?
A:会社は自己破産したからという理由で社員を解雇する事はできませんが、会
社からの借入がある場合には会社に損害を与えた事になり、それが原因で解
雇はあるかも知れません。

Q:親族や友人など親しい人から借入をしている。その人たちを除いて自己破産
できますか?
A:心情的に、そうしたい気持ちは良くわかりますが、それは出来ません。なぜ
なら免責不許可事由の「偏頗弁済」に該当するからです。自己破産をすると
決意したら誰にも返済してはいけません。

Q:保証人が居る場合、どうなりますか?
A:申立人は免責が決定すると返済を免れることができますが、保証人は免責さ
れませんので、保証人に請求が行きます。保証人は返済の義務が生じるので
返済をしなければなりません。

色々と書いて来ましたが、最後に…多重債務・自転車操業状態で何とか凌いで精神的に疲弊している方へ
1人で悩み苦しむ必要はありません。ぜひ私達を頼ってください。相談する事で心のモヤモヤを晴らして下さい。精神的に解放されて楽になって下さい。自己破産は債務整理の中では一番、最後の砦です。しかし決して恥ずかしい事ではありません。間違った道に進んで、迷って皆よりちょっとだけ遠回りしただけです。自己破産の手続きで1度、立ち止まりちゃんと自分自身と向き合い、人生をリセットして再び歩き出せば良いんです。焦る必要なんてありません。
私達は、そんな皆様の気持ちに寄り添い、人生の再スタートを最高の状態で迎えられるよう精一杯、お手伝いします。皆様の本当の笑顔を楽しみにしつつ…♪今日も債務整理担当部署は、笑顔で稼働中です!!

詳しく知りたい方はコチラをクリック!! ⇒ 自己破産相談センター