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相続放棄の手続き(事例その1)

2018年04月9日

誰もが直面するのが相続…。
親、兄弟姉妹、おじ・おば等、身内の誰かが亡くなると自分の意思とは関係なく必ず相続が発生します。
相続が発生したら…まず誰が相続人になるのか、亡くなった人の相続財産は何があるかなどを調べます。
その後、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が何をどの様に相続するか?を決める事になります。
(※遺言書がある場合は、その遺言に従います…)

では相続財産は何か!?と言うと…
現金、預貯金、不動産、株などプラスの財産と借金や国税等の滞納金などマイナスの財産の2つです。
プラスの財産ばかり遺してくれると相続人としては嬉しい限りですが、残念ながらマイナスの財産を
遺して亡くなられる方も少なくありません。また最近は横(親族間)の関係が希薄になって来つつあり、
連絡先を知らないため、亡くなられた方の家族は相続放棄の手続きをしたにも関わらず次順位の相続人に
情報共有が出来ていないまま放置されていると言ったケースが増えています。

そこで、今回から数回に分けて当事務所が携わった「相続放棄」の手続き事例をご紹介して行きたいと
思います。

事例その1 相談者は倉敷市在住のT様

★相談内容★
T様の伯母が平成23年に他界しました。伯母は離婚しており、子供が2人居ました。
平成26年、税務署からT様の自宅に手紙が届きました。その書面には「T様が伯母の相続人である」との記載がありました。そこで税務署に電話をし、内容を確認すると伯母の子供(T様のいとこ)は既に相続放棄の手続きをしていることを伝えられ、T様の母が他界しているためその子供であるT様が相続人になると説明がありました。手紙には回答書が添付されており、相続放棄についても触れられていたので、税務署の担当者に相続放棄の意思を伝え、指示通りに回答書を記入して送り返しました。T様は電話で話をしたこと、回答書を返送したことで全ての手続きが終わったと胸を撫で下ろしていたのですが、数ヵ月後に再び税務署から書類が届き、どうしたものかと相談に来られました。

★解決方法★
T様は、書類が届いた時点で相続放棄の意思は示しており、税務署担当者に電話でその旨を伝え回答書の返送もしています。T様は「回答書に相続放棄をする」と記入した事で、手続きが終わったものと思い込んでいました。しかし実際には家庭裁判所での相続放棄の手続きは為されていないので、税務署からの督促が止まらなかったのです。
今回の案件は、死亡後3ヶ月を超えてからの相続放棄になるため、T様の受領した書面一式を事務所にお持ち頂き、事情をお伺いしたうえで相続放棄の申述書を作成し、併せて伯母様がいつ亡くなったのか?いつ自分が相続人であると知ったのか?債務がある事を知ったのはいつか?など具体的に記載した上申書を作成し、管轄の家庭裁判所(県外)に郵送で申立を行う形を取り、無事にT様の相続放棄は認められ当事務所から税務署宛てに相続放棄の証明書を送付し事件が終了しました。