個人再生について

2016年09月23日

朝晩は涼しく快適に過ごせる様になって来ましたね!!
もうすぐ私の大好きな季節「秋」の到来♪
まだ具体的な予定は立てていませんが…紅葉狩りに行って癒されたいなぁ~なんて思っています。

 

今回のテーマは「個人再生」

まず個人再生とは何か?数ある債務整理の中の1つで、「任意整理」では返済を続けていく事が難しいけど「自己破産」は避けたいといった時に取られる手続きです。個人再生は平成13年に始まった比較的新しい制度で、どちらかと言えば『自宅を持たれている債務者の方向けに作られた制度』と言っても過言ではありません。ただしオーバーローンであることや、抵当権が住宅ローンだけであることなど、いくつかの条件に該当する必要があります。「個人再生」の手続きには2種類あり、いずれも裁判所が関与します。

 

* 小規模個人再生 *

・債務の支払が困難になっていること(破産する恐れがあること)

・安定した収入があること。継続して収入を得る見込みがあること。

(パートやアルバイト、年金生活者でも手続き可能です)

・住宅ローンを除く借金の総額が5000万円以下であること

・返済計画に対して債権者の過半数の同意及び同意した債権者の債務額が

総額の半分以上を占めていること。

 

 

* 給与所得者再生 *

こちらは小規模個人再生の条件を満たしている他に定期収入があり、その収

入の変動が20%以内であれば利用可能です。また、こちらは債権者の同意

を得られなくても手続きすることが出来ます。

良く用いられるのは「小規模個人再生」かと思われますので今回は、そちらの話をメインにして書いて行きますね!

 

 

個人再生を行うメリット・デメリット

★メリット★

・自宅を守る事が出来る

・債務額が大幅に減額される(下記の表を参照してください)

・資格の停止制限がない

・資金使途を問われない

 

★デメリット★

・官報に掲載される。

・信用情報に影響が出る。

・3年間(原則)は返済義務がある。

・住宅ローンの残債務については減額されないので契約通りに支払を継続
しなければならない。

・連帯保証人が居た場合に迷惑をかける。

 

個人再生手続きの流れ

① 全ての債権者に対して受任通知を発送し、債権額を確定させる。
※住宅をお持ちの方は、金融機関に対して住宅特則を利用することを通達する。

② 個人再生の申立に必要な書類の収集及び申立書類の作成。

※当事務所では書類作成のお手伝いを致します。

③ 個人再生申立。住所地を管轄する裁判所へ申立を行う。

④ 裁判所から指示された金額を毎月、口座に入金し積立を行います。

⑤ 再生計画案を裁判所に提出。

⑥ 再生計画案が認可される。

⑦ 再生計画案が確定する。(認可決定後、約1ヶ月)

⑧ 再生計画案が確定した翌月末から各債権者へ支払を開始する。

※住宅ローン以外は、3ヶ月に1度の支払になります。

 

さて、メリットの所に債務額が大幅に減額されると書きましたが実際には、どのくらい減額になるのかについて触れておきます。

 

債務(借金)総額 最低弁済額
100万円未満 借金の総額そのまま
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 債務額の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円以下 債務額の10分の1

 

 

例えば350万円の債務(借金)がある方は100万円に、600万円の債務(借金)がある方は120万円を返済すれば残りの債務(借金)は免除されます。

※ただし所有する財産(車・預貯金・保険の解約返戻金等)の合計金額が上記金

額を上回る場合には、財産の合計金額分を支払わなければなりません。

 

上記の表の様に減額された借金を再生計画案が確定後に原則3年間(ケースによっては5年間)で分割して支払っていくことになります。

※住宅ローンは約定通りの返済です。

 

「個人再生」の手続きは書類の収集に始まり申立書類の作成、申立、再生開始決定後は裁判所の指示した期限までに必要書類の作成及び提出など結構な手間が掛かります。個人での手続きも不可能ではありませんが、なかなか難しいと思います。

 

でも原則3年間、支払いをすると多重債務の状態から解放され精神的に物凄く楽になると思います。住宅ローン返済のために借金を重ねてしまって結局、多重債務に陥り住宅ローンの返済に困っている方にこそ「個人再生」で住宅を守りながら手続きが出来る事を知って頂きたいです!!そして頑張って手に入れたマイホームで毎日、笑顔の絶えない生活を送って頂きたいです!!そんな思いを胸に、本日も書類作成のお手伝いをしています。